グリアジンとグルテニンの違いとは? グルテンの特徴と健康への影響を解説

グリアジンとグルテニンの違いとは? グルテンの特徴と健康への影響を解説

小麦粉は私たちの生活に欠かせないパンや麺類の原材料であり、2種類のたんぱく質が含まれています。一つは柔らかく伸びる性質を持つグリアジン、もう一つは弾力性のあるグルテニンです。小麦粉に水を加えてこねるとグリアジンとグルテニンの2つのたんぱく質が絡み合います。この2つのたんぱく質が絡み合あってできるのが、小麦粉特有の性質を持つグルテンです。

この記事では、グルテンの特徴やグリアジンとグルテニンの違いを解説します。また、近年注目されているグルテンフリーの基礎知識や糖質制限との違い、グルテンが健康に及ぼす影響についても解説します。グルテンの基礎を理解するためにぜひ参考にしてください。

 

 目次

グリアジンとグルテニンの違い

グルテンを多く含む食品の影響

グルテンフリーとは?

グルテンフリーのお菓子おすすめ3選

まとめ



グリアジンとグルテニンの違い

 

小麦粉は、小麦の胚乳部分を製粉したもののことです。小麦には、全体の8〜13%ほどのたんぱく質が含まれています。小麦に含まれるたんぱく質は、ロイコシン・グロブリン・グルテニン・グリアジンなどです。このうち、グルテニンとグリアジンが全体の80%以上を占めています。

ロイコシンは、水やアルカリ性、中性のアルカリ塩溶液に溶けやすく、また凝固しやすい性質を持つたんぱく質です。グロブリンは比較的濃度が薄いアルカリ性や中性の塩溶液に溶けやすく、熱が加わると凝固する性質があります。

小麦粉に含まれるたんぱく質の中でもグリアジンとグルテニンは、小麦粉の性質や加工特性に大きな影響を与える主要なたんぱく質です。このグリアジンとグルテニンは、小麦粉に水を加えてこねることで絡み合い、グルテンを形成します。このグルテンが、生地の粘りや弾力、膨らみなどの特性を生み出し、パンや麺類の食感につながっているのです。

ここでは、小麦粉に多く含まれるグリアジンとグリテニンについて詳しく解説します。

・グリアジンとは

グリアジンは、小麦粉に含まれるたんぱく質の一種で、特にアルコールに溶けやすい性質を持ちます。グリアジンが持つ粘り気によって、生地に柔軟性を持たせる役割を果たしています。

グリアジンは、1本のポリペプチド鎖で構成される単量体たんぱく質からできており、比較的シンプルな分子構造です。ポリペプチドとは、ペプチド結合によって複数のアミノ酸が連結して構成される長鎖分子のことです。ペプチド結合は、α-アミノ酸に含まれるカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)から水(H2O)が分離して結合したものを指します。

グリアジンは溶けやすいものと溶けにくいものが存在します。含水アルコールや濃度の薄い酸またはアルカリに溶ける性質がある一方で、水や無水アルコール、中性塩溶液に溶けにくい性質です。

 

・グルテニンとは

グルテニンは、小麦粉に含まれるたんぱく質の一つで、酸性やアルカリ性の液体に溶けやすい性質があります。いくつものポリペプチド鎖が「ジスルフィド結合」という特殊なつながりで結びついてできており、大きな分子構造をしています。ジスルフィド結合とは、システインと呼ばれる1対のアミノ酸が酸化した後に形成される共有結合のことです。

グルテニンは純水や中性塩溶液、アルコールに溶けにくい性質があります。一方で、濃度の薄い酸やアルカリには溶けやすいものの、ジスルフィド結合を切断して単量体に分解すればアルコールに溶けやすくなります。

また、グルテニンは弾力性が強く、伸びにくい性質を持っているため、生地に弾力やコシを与える役割があります。パンや麺類を製造する過程で、生地の構造や食感に影響を与える重要な成分です。

 

グルテンを多く含む食品の影響

 

前述したように、グルテンは小麦粉に一定の割合で水を加えてこねることでグルテニンとグリアジンが絡み合って形成されます。グルテニンの弾力性とグリアジンの柔らかく伸びる性質が絡み合った結果、うどんやパンができるのです。

小麦粉を原材料とする食品は食卓を豊かにする反面、過剰摂取すると血糖値の急上昇や腸の炎症、食物アレルギーなどのリスクが高まります。本章では、小麦に含まれるグルテンが人体にどのような影響を及ぼすのかを詳しく解説します。

・血糖値が上がる

グルテンを形成するパンや麺類などの小麦製品を摂取すると血糖値が上昇しやすくなります。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。食後に血糖値が急上昇するのは、小麦に含まれるアミロペクチンAという成分が血糖値を上げる作用があるためです。うどんやパンなどの小麦粉を使用した食べ物を食べた場合、体内ではどのような変化が起きているのでしょうか。

うどんやパンを飲み込むと胃で消化され、小腸に入るとブドウ糖まで小さく分解された後に吸収されます。その後、ブドウ糖が血液中に流れ出ると血液中のブドウ糖の濃度が高まり、結果的に血糖値が上昇します。これが小麦製品の食後に血糖値が上昇する仕組みです。

上昇した血糖値を下げるためには、膵臓から出されるインスリンの分泌が不可欠です。血糖値が急上昇するとインスリンが過剰に分泌される上に、血液中のブドウ糖が脂肪として体内に蓄積されて肥満のリスクが高まります。

また血糖値の急激な変動は、眠気やイライラ、精神的な不安定さなど、体にさまざまな影響をもたらすことがあります。

 

・腸に炎症が起きやすくなる

グルテンを多く含む食品を過剰摂取すると腸内で炎症が起こり、消化器系の症状を引き起こす恐れがあります。グルテンは接着剤や糊と同様にくっつきやすい性質を持っており、小麦製品を摂取するとグルテンを含む便が腸の粘膜に貼り付き、体外に排出されにくくなるリスクがあるからです。腸内に便が溜まり続けることで腸の粘膜が傷つき、炎症が発生するため消化器系の症状が引き起こされやすくなります。消化器系の主な症状は腹痛や便秘、下痢などです。

またグルテンを含む便と腸管の細胞の結合で、腸内で処理されるはずの有害物質が血液中に侵入しやすくなるリーキーガット症候群(腸管漏出症候群)という病気の発症リスクも高まります。他には、腸の消化吸収機能が低下すると、以下のような症状が引き起こされるケースもあるといわれています。

●    片頭痛
●    リウマチ
●    栄養失調
●    PMS(月経前症候群)

 

・依存しやすくなる

小麦に含まれるグルテンはタバコに含まれるニコチンと同様に、依存性が高い成分といわれています。グルテンを含む小麦製品を長期的に食べ続けると体が常にグルテンを欲するようになります。

摂取によって依存性が高まるのは、グルテンを構成するアミノ酸配列が関係しているためです。グルテンはモルヒネと類似するアミノ酸配列をしており、分解される際に薬物を摂取したときと似た反応が見られる場合があります。

モルヒネは、医療機関で鎮痛薬として使用されている麻薬性の高い薬物です。依存性の高さから医療機関では厳しい管理体制が敷かれています。小麦製品は一般的に普及している食品ですが、依存性が高いため、過剰摂取や長期的な摂取を避ける必要があるでしょう。

・食物アレルギーを起こすことがある

人体には免疫システムが備わっており、異物が体内に入ると免疫反応を起こして異物を体外に排出します。例えば、花粉が体内に入って免疫システムに異物と判断されると、花粉を体外へ排出しようとしてくしゃみや鼻水の症状を起こします。このときに現れる症状がアレルギー反応です。

人によっては小麦やグルテンの摂取でアレルギー反応が出る場合もあります。小麦やグルテンは本来、人体に無害であるものの、免疫システムが特定のたんぱく質に過剰反応を示すことで食物アレルギーが起こります。

食物アレルギーの主な症状はかゆみや発疹、息苦しさなどです。アレルギー反応が重症化した場合はアナフィラキシーショックが起こり、命に危険が及ぶケースも少なくありません。

 

グルテンフリーとは?

グルテンフリーとは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるたんぱく質、グルテンを控える食事スタイルのことです。グルテンの摂取量をできるだけ減らすことで、体への影響を抑える目的があります。本章では、グルテンフリーの概要と糖質制限との違いを解説します。

 

・グルテンフリーの概要

グルテンフリーは、小麦に含まれるグルテンを排除した食生活です。美容や健康を目的としてグルテンの摂取を控える人が増えているものの、日々の食事で小麦を原材料とする食品を避けるのは難しいでしょう。そこでおすすめなのがグルテンフリーの食品です。

例えば、グルテンを含まない米粉や大豆粉を使ったパンやスイーツ、麺類などの食品はグルテンフリーの食事として安心して食べられます。

・グルテンフリーと糖質制限の違い

グルテンフリーとよく似た食事法の一つに、糖質制限と呼ばれる食事法があります。一見似ていると思われがちですが実際は異なります。グルテンフリーはグルテンを含む小麦製品全般を排除した食事を指す一方、糖質制限は小麦を食事から全て排除する必要はなく、小麦や米、芋類などの炭水化物を控える食事法です。糖尿病の食事療法には、糖質制限が用いられることも多いです。

グルテンフリーの食事は糖質制限にも該当する場合が多いです。しかし、糖質制限の食事療法は小麦やグルテンを全て排除しないため、グルテンフリーには対応できないでしょう。小麦やグルテンなどの食物アレルギーを持つ人は、グルテンフリーと糖質制限の違いをよく理解しておくことが大切です。

 

グルテンフリーのお菓子おすすめ3選

グルテンを控えたいものの小麦製品を食事から避けるのは難しく、小麦製品のパンやお菓子を食べたい人もいるかもしれません。そこでおすすめなのがグルテンフリーのお菓子です。

ケトフード専門ブランド「NATUVIEW」は、お菓子をはじめ、グルテンフリーの食品を多数取り扱っています。そこで、NATUVIEWで人気のパンやお菓子を紹介します。

 

・ケトパン

ケトパンは体に優しいグルテンフリーのパンです。パンの主原料は小麦粉や米粉を使用するのが一般的ですが、ケトパンは小麦粉も米粉も使用していません。グルテンフリーで糖質は76%削減しており、1切れ当たりの糖質は1.92gです。また体に優しい製法にこだわっており、しっとりと柔らかな食感を楽しめます。健康志向の方や糖質を抑えた食生活を送りたい方におすすめです。

原材料はグルテンフリーのアーモンド粉やココナッツ粉を使用している上に、余計な添加物を使用していません。ケトパンは定番でシンプルなプレーンに加えて、セサミチーズやスパイスなどがあります。

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・シフォンケーキ

NATUVIEWのシフォンケーキは、グルテンフリーのお菓子です。一般的なシフォンケーキよりも糖質を約70%も抑えています。ほどよい甘さとふわふわとした食感が満足感を高めます。糖質を抑えつつ、たんぱく質や食物繊維などの栄養素が豊富です。また原材料は大豆と米粉を使用しており、口当たりのよさと糖質のバランスを取れる独自の配合に成功しました。グルテンフリーのお菓子を探している人やダイエット中の方におすすめのスイーツです。

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・バスクチーズケーキ

バスクチーズケーキは、スペイン北部のバスク地方で誕生したチーズケーキです。1本当たりの糖質は19.0gとなっており、一般的なチーズケーキよりも糖質約78%オフとなっています。高温で焼き上げるため、表面にこんがりと焦げ目があるのが特徴です。サワークリームをたっぷり加えることで、味にコクと奥行きのある味わいが特徴です。

原材料にはクリームチーズや生クリーム、サワークリームなどの他に、本葛粉やフランス産の天日塩であるゲランド塩を使用しています。すっきりした味わいなのでワインやシャンパンを合わせるのもおすすめです。

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まとめ

 

小麦に含まれるグリアジンとグルテニンは、それぞれ異なる性質を持つたんぱく質で、水と練り合わせることでグルテンとなり、パンや麺の食感を作り出します。ただし、グルテンには血糖値の上昇や腸の炎症、依存性、アレルギーの原因になるなどのデメリットがあります。これらの健康リスクを避ける選択肢として注目されているのが、グルテンフリーの食品です。小麦を使わず、米粉や大豆粉などで作られた食品を取り入れることで、体への負担を軽減できます。

ケトフード専門ブランド「NATUVIEW」では、グルテンフリーや低糖質の食品を多数取り扱っています。グルテンフリーの食品に置き換えて、体に優しい食生活を送りたい方はぜひ一度お試しください。

 

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